に投稿 コメントを残す

日常生活で生物兵器を生み出してしまった話

一人暮らしを始めて間もない頃、私は買い出しにいきアサリを買いました。

買ったものの、今まで実家で暮らしていてアサリなんて潮干狩りの思い出しかありませんでした。

確か、アサリは砂出しが必要だと考えた私はオレンジ色のボウルの中に水をため、面倒だったので量りもせずに塩を適当に混ぜました。

薄暗い場所に置いて寝かせるんだっけなとシンク下の奥の方に置き、砂をだすだろうからと思ってラップをして放置しました。

買い出しにでた日って、その日は何も作る気でないですよね?

買い出しに行った!!偉い!!

ってことでその日はアサリくんを放置。

・・・したのは良いんですが、シンク下の奥に置いたのが大きな間違いでした。

次の日もさらに次の日も私はアサリくんのことをすっかり忘れて過ごしていました。

どのくらいたったでしょうか。

ある日、キッチンに立つとシンク下から異様な匂いを感じました。

卵の腐った匂いとでもいうのでしょうか。とにかく臭いのです。

排水溝から匂うのかと思ってシンク下を開けると何時ぞやから放置しっぱなしだったオレンジ色のボウルが目に入ってきました。

その日私は思い出しました。

アサリくんはどうなった!?と

急いでボウルを取り出そうとしましたが、シンク下を開けたことにより今まで封印されてた匂いが一気にキッチンに充満。

凄まじい刺激臭により鼻は痛いわ、涙は溢れ出るわ、えずきも止まらないわで慌てて封印し直しました。

匂いって余りにも強烈だと涙が勝手に溢れ出すんですね。私はその時、身を持って実感しました。

私はとんでもねぇ化け物をこの世に生み出してしまったのではないか。

えぇ、気分はあのフランケンシュタインのようです。

しかし私は彼のように簡単に見捨てることなんてできません。

だってここは賃貸。敷金は少しでも返ってきていただきたい。

私は部屋に一度避難し、対策を考え万全の準備をすることにしました。

窓を全開にし、換気扇をまわし、二重のマスクにビニール手袋、汚れてもよいようにユニクロのワンピース。

水切りボウルを使いシンクに腐った水だけ捨ててアサリは迅速に二重のビニール袋に入れて捨てよう!そうしよう!!と考え計画に移します。

シンク下を開けるとまた匂いが充満しますが、二重マスクのおかげで何とか耐えられそうです。

ボウルを持ち、ラップを外した次の瞬間

それまでとは比べ物にならない匂いが私を襲う!!!

特殊清掃の方は人が腐った匂いを一度嗅いだら忘れられないそうな。

刹那、そんな知識が頭をよぎった。

どぶ川、生ごみ、下水道、排泄物その全てを混ぜ合わせた

いいえ、それよりも遥かに凌駕するこの匂いはもはや生物兵器。バイオハザードです。

この世の醜悪の匂いはマスクすらも突き抜けて嗅覚、視覚を破壊しまくる。

おえっ、おえっとえづきが止まらない。私の全細胞がそれを否定している!!

人生で一度も出会ったことない、出来れば出会わないままでいたかった

余りの匂いに死を覚悟するほどでした。

後になって調べると、ラップをしたことによりアサリが死に空気がなかったので嫌気性条件下で腐敗が進んだのだと分かりました。

その条件下だとメタンガスなどの人にとっての有害物質を発生させるそうです。

それゆえに私の身体は拒否反応したと。やっぱりバイオハザードじゃん。

その後、意識を失いそうな中、何とかアサリを処理しました。

ですが水切りやボウルからも同じ匂いがついて何度洗っても匂いが落ちないため、今回使用した道具は全て捨てその後ファブリーズを散布しまくりで何とか解決。

もし、どんな匂いなのか気になる方がいらしたら挑戦してみてください。

おススメはしませんし、しばらくアサリ恐怖症になります。

私は二度とやりません。